頭部のかさぶたやフケの原因になる病気って何?適した対処法とは?皮膚科医187人に聞いてみました


頭部のかさぶたやフケの原因になる病気って何?適した対処法とは?皮膚科医187人に聞いてみました

本調査では、まず頭部にかさぶたができたり、フケが発生する原因としてよく見られる疾患は何か聞いたところ、「乾癬」との回答が一番高く、次に「頭部白癬」、「接触性皮膚炎」が続きました。「乾癬」への医師からの支持が際立って高くなっており、冬など乾燥する季節に増えるようでした。また、皮膚炎や乾癬などによるフケ・頭皮のかさぶたが気になる場合、日常生活において患者自身ができるお勧めの対処法はあるかという質問については、「低刺激のシャンプーを使用する」と回答している医師が一番多く、次に「入浴後は自然乾燥ではなくドライヤーで乾かす」、「頭皮を保湿する」が続きました。「低刺激のシャンプーを使用する」のみ医師からの支持が過半数を占めており、特に効果が期待できる対処法と言えそうです。病院に受診すると、病状に応じた生活指導をしてもらえるようですし、気になる方は病院を受診してみてもいいかもしれません。

頭皮のかさぶたやフケが最近多くなったような気がする…。
そんな頭皮の症状にお悩みの方も意外と多いのではないでしょうか。
かさぶたやフケがあると清潔感も損なわれますし、なんとか改善させたいですよね。
では、頭部のかさぶたやフケの原因になる病気には何があるのでしょうか。
また、日々の生活にどのような対処を取り入れていけばいいのでしょうか。

そこで今回は、皮膚科医187人に頭部のかさぶたやフケの原因になる病気は何か、日常生活で行える適した対処法は何か聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年9月2日~2018年9月3日にかけて行われ、皮膚科医187人から回答を頂きました。

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頭部のかさぶたやフケの原因になる病気は何?

まずは、「頭部にかさぶたができたり、フケが発生する原因としてよく見られる疾患はありますか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

・乾癬
・頭部白癬
・接触性皮膚炎
・皮脂欠乏性皮膚炎
・脂漏性皮膚炎
・アトピー性皮膚炎
・その他

以下のグラフが結果となります。

頭部のかさぶたやフケの原因になる病気って何?適した対処法とは?皮膚科医187人に聞いてみました

集計結果では、「乾癬」との回答が約90%と一番高く、次に「頭部白癬」、「接触性皮膚炎」が続きました。
「乾癬」への医師からの支持が際立って高くなっており、頭部のかさぶたやフケが出る際はまずはこの病気を疑ってみてもいいかもしれません。

まず上位の病気の概要をおさえた後に、医師のコメントを見ていきましょう。

乾癬とは

銀白色の鱗屑(皮膚の粉)をともない境界明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出ます。乾癬の患者さんの90%位がこの症状です(尋常性乾癬と呼びます)。(中略)できやすい部位は慢性の機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿伸側などです。

頭部白癬(シラクモ)とは

シラクモは白癬菌が髪の毛に寄生して生ずる皮膚病で、戦前はよく見られたのですが、現在は稀です。おもな症状は楕円形に髪の毛が抜け、表面にフケ様の細かい鱗屑がみられますが、痒みなどの自覚症状はありません。脱毛斑内の毛は折れやすく、また抜けやすくなっており、毛の根本で毛が切れると、残った毛が黒く点状に見えることがあります。

接触皮膚炎とは

接触性皮膚炎(かぶれ)は、あるものに接触して、間もなく、ないし、数日(極端な場合は2~3週間)たって起こり、接触した場所に湿疹反応が現れます。(中略)痒み、ときに痛みをともなう紅斑(赤み)が生じ、その上に小さい丘疹、水疱ができます。

特に高齢者などに乾癬がよく見られる

・40代女性 皮膚科 「乾癬」
年齢が上昇するにつれて多くなる印象です。

・40代男性 皮膚科 「乾癬」
ほとんど体質のようなものです。

・30代女性 皮膚科 「乾癬」
毛染めで発症する人もいます。

・60代男性 皮膚科 「乾癬」
高齢者に多く認めます。

・40代男性 皮膚科 「乾癬」
冬など乾燥する時期に多くなります。

・60代男性 皮膚科 「乾癬」
掻破行為が直接の原因となる場合があります。

・40代男性 皮膚科 「乾癬」
お年寄りや赤ちゃんはこの病気が多いです。

医師の回答を見ると、「乾癬」との声が多数挙がっていました。
特に高齢者の方によく見られる病気のようですね。また、赤ちゃんでかかる場合もあるみたいです。

病気の発症の原因としては、体質のようなものといったコメントの他に、頭皮を引っ掻くことなどで誘発される場合が挙げられていました。頭皮を引っ掻く癖がある方は注意が必要ですね。中には、毛染めで発症するケースもあるようです。
また、乾癬は冬など乾燥する季節に増えるといったコメントもみられました。
気になる症状が頭皮に現れた際は、まずは医師に相談してみても良いかもしれません。

頭部白癬も増えてきている

・40代女性 皮膚科 「頭部白癬」「乾癬」
頭部白癬は乾癬に比べて頻度としては低い印象です。

・40代男性 皮膚科 「頭部白癬」
真菌検査は簡便にできるので、まず鑑別します。

・60代男性 皮膚科 「頭部白癬」
炎症が慢性化する事による頭部症状は多いと思います。

・50代男性 皮膚科 「頭部白癬」「乾癬」
脂漏性皮膚炎が多いですが、最近は頭部白癬も多くなってきました。

・50代女性 皮膚科 「頭部白癬」
最近は頭皮の乾燥がよく見られるようになりました。

・40代男性 皮膚科 「頭部白癬」「接触性皮膚炎」
正常範囲のフケの相談も多いです。

・40代男性 皮膚科 「頭部白癬」「乾癬」
鑑別が意外と難しい事が多いです。

・60代男性 皮膚科 「頭部白癬」「乾癬」
軽快しても繰り返す事が多いです。

次にコメントで多かったのは、「頭部白癬」との意見です。
「頭部白癬」の発生頻度としては、「乾癬」に比べると多くないようですが、最近増えてきている病気といったコメントもみられました。
これら頭皮の病気の鑑別は簡単ではなく、病院での真菌検査の実施が大切とのコメントもありました。診察した結果、病気ではなく、正常範囲のフケの量だったということも多いようです。
軽快しても繰り返すという特徴がこれら頭皮の病気にはあるようですし、頭皮の症状で悩まれている方は、まず医師に相談してみるといいかもしれません。

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頭皮のフケやかさぶたに対する、日常生活で出来る対処法って何?

続いて、「皮膚炎や乾癬などによるフケ・頭皮のかさぶたが気になる場合、日常生活において患者自身ができるおすすめの対処法はありますか。」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

・低刺激のシャンプーを使用する
・入浴後は自然乾燥ではなくドライヤーで乾かす
・頭皮を保湿する
・適度に日光浴をする
・ストレスをためない
・飲酒を控える
・バランスの良い食事を摂る
・ごしごしとこすらない
・喫煙を控える
・疲労をためない
・効果的な方法はない
・なるべく紫外線を避ける
・その他

以下のグラフが結果となります。

頭部のかさぶたやフケの原因になる病気って何?適した対処法とは?皮膚科医187人に聞いてみました

こちらの調査では、「低刺激のシャンプーを使用する」と回答している医師が63%と一番多く、次に「入浴後は自然乾燥ではなくドライヤーで乾かす」、「頭皮を保湿する」が続きました。
「低刺激のシャンプーを使用する」のみ医師からの支持が過半数を占めており、特に効果が期待できる対処法と言えそうです。

それでは医師のコメントを見ていきましょう。

フケ用シャンプーを使ってみよう。ただし洗い過ぎに要注意

・20代男性 皮膚科 「低刺激のシャンプーを使用する」
刺激を過剰に与えないようにする事です。

・60代男性 皮膚科 「低刺激のシャンプーを使用する」
ごしごしとこすらないように指導しています。

・50代男性 皮膚科 「低刺激のシャンプーを使用する」
洗い過ぎは注意して頂いています。

・30代女性 皮膚科 「低刺激のシャンプーを使用する」
ふけが多い人の多くが脂漏性皮膚炎であり、抗真菌剤入りのシャンプーなどは、ある程度の予防になると思います。

・40代男性 皮膚科 「低刺激のシャンプーを使用する」
フケ用シャンプーで良いと思います。

・60代男性 皮膚科 「低刺激のシャンプーを使用する」
刺激をしないように、気をつける事が必要でしょうね。

・60代男性 皮膚科 「低刺激のシャンプーを使用する」・「入浴後は自然乾燥ではなくドライヤーで乾かす」
洗い方に問題があるし、シャンプーも問題があると思います。

・50代男性 皮膚科 「低刺激のシャンプーを使用する」・「入浴後は自然乾燥ではなくドライヤーで乾かす」
頭皮を清潔に保つのが大切です。

・50代男性 皮膚科 「低刺激のシャンプーを使用する」
1日に複数回シャンプーするなど、洗いすぎが多くなった印象があります。

・50代男性 皮膚科 「低刺激のシャンプーを使用する」
シャンプーの頻度を減らしましょう。

一番多く見られたコメントは、「低刺激のシャンプーを使用する」というものでした。医師の意見としては、大きく以下の二つがありました。

・使用しているシャンプーは病状に適しているものに変えること
・頭皮に必要以上の刺激を与えないこと

まずシャンプーについては、抗真菌剤入りのシャンプーやフケ用シャンプーなどが推奨されていました。
まだ試したことがないという方は、取り入れてみても良いかもしれませんね。

また、頭の洗い過ぎについても多くの意見が医師より寄せられました。具体的には、必要以上にゴシゴシと強く洗ったり、1日に何度も頭皮を洗うことは避けた方がいいみたいです。頭皮をいたわり優しく洗うように気をつけましょう。
さらに、頭皮を清潔に保つことも大切なようで、適したシャンプーで丁寧に洗ってあげましょう。

日々の生活習慣も振り返ってみよう

・50代男性 皮膚科 「ストレスをためない」
体調維持が重要だと思います。

・50代男性 皮膚科 「ストレスをためない」
睡眠をしっかり取る事が一番重要です。

・40代男性 皮膚科 「ストレスをためない」
生活指導もある程度必要です。

・40代男性 皮膚科 「ストレスをためない」
生活習慣の改善で変わってくると思います。

・40代男性 皮膚科 「ストレスをためない」「バランスの良い食事を摂る」「喫煙を控える」
健康的な生活が一番良いです。

・40代男性 皮膚科 「ストレスをためない」「バランスの良い食事を摂る」
普段の規則正しい生活とバランスとれた食事が大切です。

・50代女性 皮膚科 「ストレスをためない」
生活指導は疾患によって違います。

・40代男性 皮膚科 「ストレスをためない」「低刺激のシャンプーを使用する」
毎日髪を洗う事が重要です。

次に気になったのは、「ストレスをためない」・「バランスの良い食事を摂る」などの生活習慣全般についての意見です。
医師のコメントを見る限り、頭皮も体調の影響を受けるようです。
バランスの良い食事を摂ることも、睡眠をしっかりとることも体の体調を正常に保つ上で重要な要素ですよね。日々の生活で改善できそうなことがあれば改めてみてはいかがでしょうか。
また、病院に行けば具体的な生活指導もしていただけるようです。一人で解決策が分からない場合は医師を頼ってみましょう。

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頭皮のかさぶたやフケが気になる時は乾癬等の可能性あり。低刺激のシャンプーで優しく洗おう

本調査によると、まず頭部にかさぶたができたり、フケが発生する原因としてよく見られる疾患は何かという質問をしたところ、「乾癬」との回答が一番高く、次に「頭部白癬」、「接触性皮膚炎」が続きました。
「乾癬」への医師からの支持が際立って高くなっており、冬など乾燥する季節に増えるようでした。

また、皮膚炎や乾癬などによるフケ・頭皮のかさぶたが気になる場合、日常生活において患者自身ができるお勧めの対処法はあるかという質問については、「低刺激のシャンプーを使用する」と回答している医師が一番多く、次に「入浴後は自然乾燥ではなくドライヤーで乾かす」、「頭皮を保湿する」が続きました。
使用するシャンプーの種類も大切なようですが、優しく髪を洗うことの重要性についても多くの医師が言及していました。ついつい力を入れて洗ってしまう人もいるかと思いますが、なるべく力を抜いて髪を綺麗にしてあげましょう。

それでも改善せず、原因がはっきりしない場合は、病院の受診を検討することも大事そうです。

引用元:イシコメ 医師と患者をむすぶメディカルサービス
https://ishicome.medpeer.jp/entry/1660