足がつった時の対処・指導は?医師4100人にアンケート調査


足がつった時の対処・指導は?

足のつりの対処・予防は、マッサージ・ストレッチ、食事・水分摂取を推す声が多く、漢方薬も選択肢の1つになりそうです。ただし、足のつりにも病気が潜んでいることがあり、続くようなら一度医師に相談しましょう。

これまで足がつった経験はありませんか?
私は夏の炎天下で試合をしていたところ両足がつってしまい、その後まともに動けなかった記憶があります。
ほかにも夜寝ている時に足がつってしまったり、山登りしていて足がつってしまったりという話も聞いたことがあります。
足のつりは多くの人が出会う問題ですが、どんな対処や予防をしたらよいのでしょうか?医師にアンケート調査を行いました!

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2017年5月9日〜5月15日にかけて行われ、医師4141名から回答を頂きました。

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足がつったときはどうすればいいの?

本調査では、足のつりの相談を受けた時、どんな対処・指導をするか医師にお聞きしました。

  1. マッサージ・ストレッチ
  2. 食事・水分摂取(電解質やビタミンを摂る)
  3. 漢方薬(芍薬甘草湯など)
  4. その他

結果は、以下の通りです。

足がつった時の対処・指導は?

マッサージやストレッチが基本

・50代男性 呼吸器内科
まずはストレッチを指導します。大抵はこれで済みます。それでも症状がある人には芍薬甘草湯を処方しますが、効かない患者さんや、下痢の副作用で服用できない患者さんが一定数います。ストレッチが一番良いですかね。

・50代男性 精神科
高校時代、水泳部で1日5キロほど泳いでいました。さすがに、毎日泳いでいても突然つりました。対処法としては、ぬるま湯に入り、ゆっくりストレッチの繰り返しでよく乗り切っていました。

・60代男性 消化器内科
よく運動した日は入浴時のマッサージを指導します。また早く軽快するコツとして、けいれんを起こした筋肉を伸ばすように指導しています。

・40代男性 一般内科
和式トイレに座るポーズをしてつった下腿の筋肉を伸ばすなど、つった筋肉を伸ばして待つと意外とすぐにおさまります。

医師のコメントでは、ストレッチや入浴時のマッサージを勧める声が見受けられました。
足がつった時の対処も大事ですが、つらないように予防につとめることも大事といった声もありました。

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食事・水分補給で足がつらないように予防を

・60代男性 老年内科
つってしまえば、ストレッチしかありませんが、予防的には水分とミネラル分の十分な補給でしょう。マラソン選手が競技中に下肢の筋肉の痙攣が起こるのは、給水所で水分を摂っているつもりでも、発汗が多すぎて、水分が足りなくなり、ナトリウム濃度上昇→筋組織の水分が移動→カルシウム/マグネシウムのバランスが偏ってしまうことが大きいそうです。低カルシウム血症でテタニー(けいれん)が起こりやすくなるのと似ているように思います。

・40代男性 一般内科
つっている瞬間は、ストレッチに勝るものはないと思います。しかし、診療室で指導となると、電解質(ナトリウム/カリウム/マグネシウム)などやタウリンの摂取が重要と指導しております。

・50代男性 一般内科
寝る前に十分な水分補給を行い、そのうえでも夜中につりそうならさらに水分を補給するように指導します。

・40代男性 健診・予防医学
その場ではマッサージ、ストレッチですが、予防的な意味ではカリウム、カルシウム不足の解消かと思います。

・20代女性 精神科
原理的には疲労、電解質異常、脱水のいずれかでしょうから、それを是正するのが基本だと思います。

足のつりの予防として、水分やミネラルの補給が推奨されていました。
足のつりは、対処と予防の2つの目線で意識することが重要そうです。

また、漢方薬の効果を強調されている医師もおられました。

漢方薬は即効性が期待できることも

・50代女性 精神科
芍薬甘草湯、これほど効果を実感できる漢方薬も珍しいのではないでしょうか。内服後10分以内にほぼ症状は無くなります。どんなに酷い症状でももう1包追加すれば治ります。山登りをする人達は、山で攣ると命に関わるので、常備しているそうですよ。

・40代男性 呼吸器内科
頓服として患者さんに処方しておき、つりそうなときに飲んでもらいます。重宝しています。頻繁に飲まれる際は甘草を含んでいるため低カリウム血症に注意が必要です。

・60代男性 麻酔科
普段から適切な食事やストレッチをすることは必要でしょうが、いざ生じた時は「芍薬甘草湯」、即効性あります。私もよくつりますので、常備しています。

即効性がある人もいれば、体質によっては体に合わず下痢になってしまうこともあるようです。
足のつりの漢方は、いざ起きた時に飲むのが基本みたいで、効果を実感する声がありました。

選択肢の内容を全て実践しているコメントも見受けられました

足のつりに複合的な指導をしているコメントも

・50代男性 一般外科
何も対策をとらないでいて起きてしまったらストレッチ・マッサージですが、普段の対策としてはミネラル・ビタミンの充足、保温、疲労回復を指導しますし、次の治療薬として芍薬甘草湯を処方します。

・50代男性 一般内科
就寝前のマッサージやストレッチ、日常の規則正しい食生活と入浴前後の水分補給、その上でつる予兆を感じたら芍薬甘草湯服用するようお話ししています。

・50代男性 一般内科
筋痙攣が始まった直後は、温罨法やマッサージ、ストレッチですが、予防のためには、漢方薬や、筋肉運動習慣や就寝中の保温を指導しています。

・50代男性 整形外科・スポーツ医学
自分自身も足がつりやすいので自分の経験から寝床でなるべく伸びをしないです。足を急に動かさない夏でも冷やさないように足まで布団や毛布を掛けます。それでもつるようなら芍薬甘草湯を処方、自分の経験からすれば4,5日で結構効いてきます。

患者さんに予防、対処と多岐にわたって指導し、さらにご自身でも試されている様子のコメントが見られました。

一方で、足のつりにも病気が潜んでいることがあり、原因の精査を勧めているコメントもありました。

続くようなら病気が潜んでいないか確認も

・50代男性 一般内科
患者が使用している薬剤の関与がないか確認します。広く使用されている薬剤で原因になりうるものがいくつかあります。例えば、カルシウム拮抗剤が原因になっている場合、それをやめるだけで患者さんが訴えていた「夜中に足がつる」症状は消失し一切起きなくなります。

・50代男性 一般内科
使いすぎ、水分不足、塩分の取りすぎ、とらなすぎ、冷え、女性ホルモンの低下、腰部脊柱管狭窄症、など原因はさまざまです。

・50代男性 皮膚科
当科に来る患者さんの場合、下肢の循環不全で足がつる例もあるので、うっ滞性皮膚炎などの所見がないかどうかのチェックも必要です。血管外科的治療が必要な場合もあります。

・50代男性 一般内科
まずは甲状腺機能や糖尿病の有無を調べてみます。なければ、カリウムを調べた上で芍薬甘草湯を出すこともあります。

足のつりは、水分不足、使いすぎだけでなく、薬の副作用、甲状腺、糖尿病、うっ滞性皮膚炎、腰部脊柱管狭窄症など様々あるようです。

続くようなら一度病気が潜んでいないか医師に相談するのが大事そうです。

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足のつりに適切な対処・予防をしましょう

本調査では、足のつりの対処・予防を聞きましたが、対処にはマッサージ・ストレッチ、予防には食事・水分摂取を推す声が多く見られました。漢方薬も挙げられている医師がおられました。
ただし、足のつりにも病気が潜んでいることがあり、続くようなら一度医師に相談するのも大事そうです。