片頭痛と緊張型頭痛の対処法は冷やす?温める?医師524名に聞いてみました


片頭痛と緊張型頭痛の対処法は冷やす?温める?医師524名に聞いてみました

本調査の結果、片頭痛を軽減するために痛む部分を冷やすことは「効果がある」との回答が54%、「効果はない」とする回答が46%と、少し肯定派が上回るものの意見が分かれる結果となりました。肯定派からは、「血管の収縮により刺激が軽減されて効果的」や「血管の炎症症状を緩和させる」といった見解が上がりましたが、反対派からは、「血流を増悪しかえって悪化する」といった指摘がありました。冷やすことが、刺激や炎症を軽減させるか、血流を悪化させるかの解釈の違いで医師の意見がわかれたようです。続いて、緊張型頭痛を軽減するために、痛む部分や首、肩を温めることは効果があるかについては、8割以上の医師が肯定的な見解を示し、その理由として「血流改善や筋肉の緊張がほぐれるため」などのコメントなどが寄せられていました。

頭痛が起きた場合、どのように対処されていますか?
例えば、安静にする、頭痛薬を飲むなど様々な方法があると思います。
インターネット上で頭痛を軽減する方法について検索してみると、冷やすと良い、温めると良いと180度異なる対処法が書かれていることがあるのではないでしょうか。
頭痛といっても色々な種類があるため、このように書かれているのかもしれませんが、実際にどうしたら良いのか悩んでしまいますよね。

そこで今回は、「片頭痛の痛みを軽減するのに痛む部分を冷やすことは効果があるか」、「緊張型頭痛の痛みを軽減するのに痛む部分や首、肩を温めることは効果があるか」について、脳神経外科医、一般内科医、神経内科医の計524名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年6月19日〜6月22日にかけて行われ、脳神経外科医、一般内科医、神経内科医の計524名から回答を頂きました。

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片頭痛の痛みは、冷やすと軽減される?

まずは、「片頭痛の痛みを軽減するのに痛む部分を冷やすことは効果がありますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

・大いに効果がある
・多少は効果がある
・あまり効果はない
・ほとんど効果はない

以下が結果となります。

片頭痛と緊張型頭痛の対処法は冷やす?温める?医師524名に聞いてみました

あらかじめ、片頭痛とはどういうものなのか抑えておきましょう。
片頭痛について以下のように説明されていました。

片頭痛とは

“片頭痛は、中等度から重度の、脈打つような痛みやズキズキする痛みで、頭の片側または両側に生じます。身体活動、光、音、匂いなどによって悪化し、吐き気や嘔吐を伴ったり、音、光、匂いに過敏になったりします。”

それでは医師のコメントを見ていきましょう。

・60代男性 一般内科 「多少は効果がある」
血管の炎症症状の緩和の点では効果があると考えます。

・40代女性 一般内科 「多少は効果がある」
これはプラセボ効果によって効果があります。

・60代男性 一般内科 「多少は効果がある」
血管の収縮により三叉神経の刺激を減らします。

・60代男性 一般内科 「多少は効果がある」
気分転換の効果にて症状の改善はあると思います。

・40代女性 一般内科 「多少は効果がある」
血管を収縮させると痛みが減る印象です。

・60代男性 一般内科 「あまり効果はない」
暖めたほうが血流改善になるので良いと思います。

・60代男性 神経内科 「あまり効果はない」
発症以前はともかく、既に血管の拡張による拍動性の頭痛が生じている場合にはあまり効果が期待できません。

・30代男性 一般内科 「あまり効果はない」
血流が増悪し、かえって悪くなる印象です。

・40代男性 一般内科 「ほとんど効果はない」
自分は片頭痛持ちですが、冷やすと気持ち悪くなります。

・50代男性 一般内科 「ほとんど効果はない」
片頭痛は、薬物治療を優先すべきです。

・50代男性 一般内科 「大いに効果がある」
片頭痛には効果があります。

調査の結果、患部を冷やすことは効果があるとの 肯定的な回答が54%、否定的な回答が46%と、少し肯定派が上回るものの意見が分かれる結果となりました。
効果があると答えた医師からは、冷やすことで血管の収縮により痛みが減るといった見解がみられました。

また、血管の収縮が三叉神経の刺激を減らしたり、血管の炎症症状の緩和の点で効果があったりするといったコメントがありました。
コメントにでてきた三叉神経については、以下のように記載されていましたので、聞き慣れないという方は参考にしてみてください。

“三叉神経は、顔面の感覚情報を脳に伝えるほか、ものを噛む時に使う筋肉も制御しています。”

さらに、プラセボ効果といった見解もあったほか、なかには気分転換から症状の改善はあるとの声もありました。
プラセボについては、以下のホームページの説明を参考にしてください。

有効成分が入っていない薬を飲んでも、薬を飲んだと思うだけで心理的作用が働き、効果を表すということ

一方で、効果がないと答えた医師の見解では、「冷やすと血流が憎悪しかえって悪くなる」や「既に血管の拡張による拍動性の頭痛が生じている場合はあまり効果が期待できない」といったことが見られました。
さらには「温めた方が血流改善になって良い」や「冷やすと気分が悪くなる」といったコメントもありました。
冷やすことが刺激や炎症を軽減させるか、血流を悪化させるかの解釈の違いで選択がわかれたようです。
結局のところ、冷やすことは効果があるのかないのか、結論付けることは難しそうですね。
また、「片頭痛は、薬物治療を優先すべき」と述べた医師もいることから、片頭痛の痛みを軽減するには薬物療法を行なった方が効果的なのかもしれませんね。

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緊張型頭痛の痛みは、患部、首、肩を温めると良いの?

次に「緊張型頭痛の痛みを軽減するのに、痛む部分や首、肩を温めることは効果がありますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。

・大いに効果がある
・多少は効果がある
・あまり効果はない
・ほとんど効果はない

以下が結果となります。

片頭痛と緊張型頭痛の対処法は冷やす?温める?医師524名に聞いてみました

緊張型頭痛については、以下の説明を参考にしてください。

緊張型頭痛とは

“ 緊張型頭痛は、通常は軽度から中等度の痛みで、頭がベルトで締めつけられるような感じがします。(中略)緊張型頭痛の原因はよく分かっていませんが、痛みを感じる閾値(いきち)が正常より低くなることと関連するともいわれています。ストレスが関係している可能性もありますが、頭痛とストレスの関係はよく分かっておらず、ストレスだけで症状を説明できるわけでもありません。他の問題が頭痛の一因や引き金になることもあります。例えば、睡眠障害、顎関節の異常(顎関節症)、首の痛み、眼精疲労などが緊張型頭痛の引き金となることがあります。”

それでは、医師のコメントを見ていきましょう。

・60代男性 一般内科 「多少は効果がある」
血流の改善効果のためです。

・50代男性 脳神経外科 「多少は効果がある」
血流が良くなり、筋緊張が改善されて効果があると思います。

・60代男性 脳神経外科 「多少は効果がある」
一時的ではありますが、血流改善のためか皮膚温度の上昇が心地よく感じられ、リラックスにもなります。

・40代男性 一般内科 「多少は効果がある」
血行を良くすることで、筋肉の緊張を和らげ老廃物の排泄を促すことができるので、無効では無いと思われます。

・50代男性 一般内科 「多少は効果がある」
血管を広げれば、頭痛もマシになります。

・50代男性 一般内科 「大いに効果がある」
血行障害が多いに関係しているためです。

・50代男性 一般内科 「大いに効果がある」
頭痛のほとんどが血行の問題ですから、効果はあると思います。

・40代男性 脳神経外科 「あまり効果はない」
それほど効果はないかと思いますが、痛みがそもそも主観的なものなので、何をしても良いです。

・50代男性 一般内科 「あまり効果はない」
自分自身は冷湿布の方が効くような気がします。

・30代男性 一般内科 「あまり効果はない」
気持ちの問題で、効果とまでは言えないかと思います。

・50代男性 一般内科 「ほとんど効果はない」
めまいには効果があると思います。

・40代男性 神経内科 「ほとんど効果はない」
こういったことを勧めたことはありません。

本調査では、「多少は効果がある」が66%、「大いに効果がある」が20%と、合計して8割以上の医師が患部や首、肩を温めることは緊張型頭痛の痛みを軽減することに効果があるとの考えを示しました。
効果がある理由として、「温めることで血管が広がり血流の改善効果がある」、「筋肉の緊張を和らげ老廃物の排泄を促す」、「温感が心地よく感じられリラックスになる」といったことが挙げられました。
反対に、効果がないと考える医師では、「痛みがそもそも主観的なものなので何をしても良い」、「自分自身は冷湿布の方が効く様な気がする」、「気持ちの問題です」との意見が見られました。
人によっては効果が異なる可能性はあるようです。

しかしながら過半数以上の医師が肯定的なことから、緊張型頭痛の場合は痛む部位や首、肩などを温めてみてはいかがでしょうか。

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片頭痛の軽減に冷やすことは賛否両論。緊張型頭痛の軽減には温めることが効果的と考える医師が過半数

今回は、「冷やす」や「温める」といった頭痛の対処法について調査をおこないました。
片頭痛の痛みを軽減するのに痛む部分を冷やすことは効果があるのか聞いたところ、肯定派が多少上回ったものの、意見が分かれる結果となりました。
肯定派からは、「血管の収縮により刺激が軽減されて効果的」や「血管の炎症症状の緩和させる」といった見解がありましたが、反対派からは、「血流を増悪しかえって悪化する」といった指摘がありました。
冷やすことが刺激や炎症を軽減させるか、血流を悪化させるかの解釈の違いで選択がわかれたようです。
冷やすと気持ち悪くなると実体験をコメントした医師もいることから、個人差があるのかもしれません。
続いて、緊張型頭痛の痛みを軽減するのに痛む部分や首、肩を温めることは効果があるかについては、8割以上の医師は「効果がある」と回答しており、どうやら効果が見込めると考えてよさそうです。
温めることにより血流の改善や筋肉の緊張を和らげるほか、リラックスにもなるとのコメントを頂きました。
緊張型頭痛でお悩みの方は、一度試してはいかがでしょうか。

引用元:イシコメ 医師と患者をむすぶメディカルサービス
https://ishicome.medpeer.jp/entry/1416