食べればいいってもんじゃない。あなたの朝食、間違っていませんか?


「朝食を取る人の方が、取らない人よりも肥満になりにくい」ことを結論付ける研究はザラにありますが、そうした研究結果に基づいたディスカッションにおいて展開される、「朝食を抜くと、それ以降の時間に高カロリーの食べ物をチョイスしがちになる」という主張に対しては、実のところ賛否両論どちらも譲らず、結局朝食を取ると太りにくい理由ははっきりとわかっていません。

でも、代謝を刺激するとか、食後の血糖濃度上昇を抑えるとか、朝食をきちんと取る習慣をつけることで規則正しい生活を実践できるようになるとか、朝食には調査や統計で明らかにされている長所もあります。

それら朝食のもたらす長所の恩恵を受けたいのであれば、質の良い食材をきちんと食べる習慣が欠かせません。何でもいいからとにかく食べるというのはNG。お砂糖たっぷりのチョコレートグラノーラで急激に血糖値をあげるとか、トースト一枚を口に放り込んで家を飛び出すとかというようなことをやっていては、百害あって一利なし。

食べればいいってもんじゃない。あなたの朝食、間違っていませんか?

今日は、Runtasticの栄養管理士である私が、朝食について多くの人が犯している間違いを一つひとつ指摘していきます。一日のスタートを力強く後押ししてくれる朝ごはんを取り戻しましょう!

間違い#1: 移動中に食べる、または「ながら食べ」をする

「もう少し早く起きればきちんと朝食を取ることができたのに、今日も結局ギリギリまでスヌーズボタンを押し続けてしまった……。何も食べないのはお腹が空くから、とりあえず通勤途中にシリアルバーか何か買って、電車の中で(それとも車の中か歩きながら)ささっと口に放り込もう。」

とまあ、よくあるシチュエーションですよね。これが習慣化しているような人に何かためになるようなことを言っても、「『ながら食べ』をしてもしなくても、食べたことに違いはないだろう」と反論されるかもしれません。

ですが、そもそもこういう態度で食事に臨んでいる人が、バランスよく食べることができているとは思えません。その上、「ながら食べ」をしている人は、食べすぎる傾向にあると同時に十分に噛まずに飲み込みがちです。

このような悪習慣の積み重ねがカラダと心の健康によい影響を与えるはずはありません。

日頃からヘルシーライフを心がけているあなたなら、犯しているはずのない間違いですね。せっかく朝食を取る気持ちがあるなら、高い意識を持って、マインドフルに取り組みましょう。

間違い#2: 食物繊維抜きの炭水化物を取っている

甘い物や白い小麦粉でできた食品をどっさり摂取しても、1、2時間後にはすでにお腹が空いてしまいます。精製された食品や砂糖は消化器官が一生懸命働かなくても、小腸で簡単に消化・吸収できてしまうことが、その原因です。

食事後に急速に血液に糖が運ばれることで血糖値が急上昇すると、体は血糖値を下げようとします。その作用で血糖値は急降下、あっという間にお腹が空いてしまうというわけです。

甘いグラノーラやシリアル製品、白い食パンなどは非常に素早く消化される朝食の典型と言えます。

食物繊維の多い食べ物、例えばオーツ麦、全粒穀物から作られた製品、豆類、野菜、などは全く正反対に作用します。食物繊維はお腹の中で膨らむ性質があるため、これらの食品は腹持ちがよく、消化器官をゆっくりと移動します。血糖値が激しく上下することはありません。

このような性質から、食物繊維が多く含まれている食べ物を摂取することは、糖尿病リスクを抑制することが多くの研究で明らかになっているほか、大腸ガンの予防にもなると言われています。

食物繊維の一日の推奨摂取量は30グラムほど。目標値に達するのはなかなか難しいですが、白いパンや白米の摂取量を減らし、全粒粉でできたパンや玄米を取り入れ、甘さが欲しければ、サツマイモやフルーツを取るようにするといいでしょう。

間違い#3: タンパク質が不足している

腹持ちを助けてくれるのは、食物繊維だけではありません。食事から満足感を得る上で、タンパク質も大きな役割を果たしています。食間にむずむずと湧いてくる食欲も、タンパク質を十分に摂ることで抑えることが可能です。

朝食でタンパク質を十分に摂取できるおすすめメニュー

・野菜たっぷりオムレツと全粒粉のパン
・ギリシャヨーグルトとフルーツをミックスしたオートミール
・全粒粉のトーストにピーナッツバターを塗り、バナナとチアシードを乗せていただく

などなど、ボリュームもたっぷりな朝ごはんが楽しめますよ!

一日に必要なタンパク質の量は、<1〜1.7グラム × 体重kg>で計算します。体重60kgの人なら、<1〜1.7グラム × 60 >= 60〜102グラム程度。かなり幅がありますが、毎日どのくらいの強度でトレーニングをしているかによって、推奨摂取量は大きく異なります。

間違い#4: 脂質をカットし過ぎている

ココナッツオイルを始めとする様々なオイル系商品の登場で、脂質の価値も見直されてきましたが、脂肪は太る原因だと思って、油脂の摂取を敬遠している人は今も少なからずいるのではないでしょうか。

脂肪分を摂れば太る、というほど話は単純ではありません。脂肪分をカットした「ライト」な商品の流行はもう過去のもの。炭水化物、タンパク質と同様、十分な量の脂質を摂取することは、ヘルシーな食生活の実践に欠かせない要素です。

ナッツバター(ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツなど)、種子類(ごま、チアシード、亜麻仁など)、アボカド、そして通常脂肪分のヨーグルトなどから、クオリティの高い、ヘルシーな脂質を摂取することができます。

油脂は料理を美味しくしてくれる上に、満足感を与えてくれる、健康的な食生活のキープレイヤーです。

食べればいいってもんじゃない。あなたの朝食、間違っていませんか?

間違い#5: 量が少なすぎる

健康的な朝ごはんで、パワフルな一日のスタートを切りましょう。朝食に何を食べるか気を配ることができた日は、自然と一日の残りの食事内容にも気をつけるようになるはずです。

理想はたっぷりとゆっくり食べること。食べ過ぎを恐れる必要はありません。代謝を活発にするためにも、今日触れたような健康的な自然食品を朝一番に十分に摂り入れるのはよいことです。今日一日を心地よく、エネルギッシュに、そして空腹感や倦怠感に襲われることなく過ごすことができるはず!

まとめ - ヘルシーな朝食を実践するための基本

・3大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)をバランスよく十分に
・砂糖や精製小麦(できれば白米も)を避ける
・クオリティの高い、ナチュラルフードを選択
・「ながら食べ」をしない

朝食を改革するところから、ヘルシーなライフスタイルへ目覚めましょう! さらに適度な運動習慣をつけることができれば完璧ですね!