ランニング前後でのストレッチの違いと役割
みなさんはランニング前後にしっかりとストレッチをしていますか?
「軽く屈伸をして足首をまわし、そのまま走り始めます」
「走り終わったら水分補給して、何もせずに着替えて終わりです」
という方も多いのではないでしょうか。
スポーツの前後に行うストレッチにはそれぞれ目的に応じた種類・方法があり、行う内容によって得られる効果も大きく変わってきます。
ストレッチの種類は大きく分けると
「静的(スタティック)ストレッチ」
「動的(ダイナミック)ストレッチ」
の2つに分けることができます。
「静的ストレッチ」は関節を動かさないストレッチ、「動的ストレッチ」は逆に関節を動かすストレッチのことを指します。
ランニングの前と後ではどちらのストレッチが向いているのか、理由も含めて解説していきます。
ランニング前 = 動的ストレッチで身体を温める
ランニングの前には「動的(ダイナミック)ストレッチ」を行いましょう。
動的ストレッチの目的は、これからランニングで使う「足」「腕」「体幹」などの部位を様々な方向に動かすことで、関節の可動域を広げ、関節や周辺の筋肉を柔らかくすることにあります。
運動前の硬い筋肉をほぐすことで血液の循環がよくなり、すぐに運動が行える状態まで身体が自然に温たまってきます。
これにより、心臓への急激な負担による発作などの危険な事故の回避にもつながります。
実際の動きとしては、
「軽い体操」
を推奨しています。
「小さいジャンプ動作の繰り返し」
「太ももや肩を大きく回す」
などで身体中の血液循環を促進し、関節や筋肉へこれから走るということを伝えていくための動きを中心に行っていきます。
軽いとはいっても、全身を使った大きな動作が必要になるため、連続して動作を行うことで心拍数が向上し、少しずつ息が上がってきます。
動作のポイント
関節の可動域を大きく動かすことを意識して心拍数を向上させること!
ランニング後 = 静的ストレッチで疲労回復する
ランニング後は「静的(スタティック)ストレッチ」を行いましょう。
静的ストレッチの目的は、筋肉に蓄積した老廃物を排出することにあります。
運動後の筋肉には多くの疲労物質が溜まり、そのままにしておくと疲れが抜けない状態が続くため、パフォーマンス低下の要因となります。
そのため静的ストレッチを行う際には、可動域ギリギリまで身体を伸ばして関節や筋肉を目いっぱい緩ませ、流れる血流を促進することで、疲労物質や老廃物を排出しやすくする循環を作ります。
ランニング直後はもちろんのこと、入浴後や就寝前など体温が上昇し血液循環が活発なときに行うと更に効果が高まります。
動作のポイント
【動作のポイント】
可動域ギリギリまで伸ばした状態を、約20〜30秒間維持すること!
比較的軽視されやすいストレッチですが、怪我予防やパフォーマンスを最大化させるためには非常に重要です。
運動前にはケガ防止・パフォーマンス向上に向けた「動的ストレッチ」
運動後には蓄積した疲労物質を排出するための「静的ストレッチ」
を必ず行うようにしましょう!
筆者:砂川 幸也 / Yukiya Sunagawa
大手フィットネスクラブ勤務を経て独立。ダイエットに特化したトレーニング・食事アドバイスと、猫背や骨盤の歪み改善など、理想体型づくりで5,000名を超える女性のトレーニングを指導。
2010年には女子プロゴルファーと専属契約を結び、国内外のトーナメントや合宿に帯同。ランニング指導においても、正しい姿勢と身体を痛めないフォームづくりをベースにしたランニング教室を開催。多くがマラソン初出場であるメンバー全員をレース完走に導く。