運動不足が原因となって起こる便秘にはどんな種類がある?医師527人に聞いてみました


運動不足が原因となって起こる便秘にはどんな種類がある?

本調査では、「運動不足が原因となって起こる便秘にはどんな種類がありますか?」という質問をしたところ、「弛緩性便秘」との回答が一番多く、次に「直腸性便秘」、「けいれん性便秘」が続きました。医師のコメントによれば、運動不足は、主に腸の働きに影響を及ぼすとされ、腹圧・直腸反応の低下なども関係するといいます。その影響から、弛緩性便秘や直腸性便秘が起こる恐れがあるようです。一方、けいれん性便秘に関しては、蠕動運動が強くなりすぎることで起こるようでした。

「最近、あまりお通じが出ない」と、お困りの方はいるのではないでしょうか。
特に、女性は便秘に悩まされることが多いですよね。
一般的に、毎日お通じがあることが健康的と言われますが、なかなかそうはいかないこともあります。
便秘の原因はさまざま考えられますが、運動不足が原因である場合、どんな種類の便秘になる可能性があるのでしょうか。

そこで今回は、一般内科、総合診療、代謝・内分泌科、健診・予防医学医527人に、運動不足が原因となって起こる便秘にはどんな種類があるのか聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年11月25日~2018年11月26日にかけて行われ、一般内科、総合診療、代謝・内分泌科、健診・予防医学医527人から回答を頂きました。

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運動不足が原因で起こる便秘にはどんな種類がある?

「運動不足が原因となって起こる便秘にはどんな種類がありますか?」という質問に対して、次の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

・弛緩性便秘
・直腸性便秘
・けいれん性便秘
・器質性便秘
・その他

以下のグラフが結果となります。

運動不足が原因となって起こる便秘にはどんな種類がある?

集計結果では、「弛緩性便秘」との回答が70%と一番多く、次に「直腸性便秘」、「けいれん性便秘」が続きました。
「弛緩性便秘」のみ際立って多くの医師からの支持が集まっています。
まずは上位に挙がった「弛緩性便秘」、「直腸性便秘」、「けいれん性便秘」の概要をおさえてから、医師のコメントを見ていきましょう。

弛緩性便秘とは

弛緩性便秘は、大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう/腸が波打つように動いて便を送り出す働き)が低下することにより、大腸内の糞便通過時間が長くなり、水分が多く吸収された結果、便が固くなって引き起こされます。特に、高齢者や、やせ形の女性、長期臥床(がしょう)者(寝たきりやベッドで過ごすことが多い人)などでよくみられます。

直腸性便秘とは

直腸に便が入っても直腸が緩んでしまうため排便の反応が起こらず、便秘になるタイプです。朝時間がなくてトイレに行けない、学校や職場のトイレでは恥ずかしくて排便を我慢したりする人は便意が消えてしまうことがあります。これが習慣化することにより便秘になります。

けいれん性便秘とは

ぜん動運動が強くなり過ぎて大腸にけいれんが生じ、便をうまく送り出すことができなくなるタイプです。ストレスの多い人、上手にリラックスすることができない人に多いです。排便時に腹痛があったり、最初はうさぎの糞のようなコロコロした小さい便しか出ないで、その後、下痢になったりと排便後もすっきり感がないこともあります。

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腹圧低下や蠕動運動低下で起こる

・50代男性 一般内科 「弛緩性便秘」
あまり知られていませんが多いと思います。

・40代男性 一般内科 「弛緩性便秘」「器質性便秘」
運動不足になると、てきめんに便秘になります。

・60代男性 一般内科 「弛緩性便秘」
腸管運動が低下するからです。

・50代男性 一般内科 「弛緩性便秘」
腹圧や腸蠕動の低下によるものと思います。

・30代女性 一般内科 「弛緩性便秘」
筋力不足で排出できないようです。

・50代男性 一般内科 「弛緩性便秘」
寝たきりや車いすの方には、便秘が多い気がします。

・50代男性 一般内科 「弛緩性便秘」
動くことにより腸管の動きが促進されます。

・50代男性 一般内科 「弛緩性便秘」
運動することで腸の蠕動運動が運動後に促進されます。

・40代女性 一般内科 「弛緩性便秘」
ピラティスで改善する話はよく聞きます。

・30代女性 一般内科 「弛緩性便秘」「直腸性便秘」
歩くと腸蠕動が活発になるのを実感します。

・40代男性 一般内科 「弛緩性便秘」「直腸性便秘」
腹筋を鍛えたり、骨盤底筋群を鍛えたりすることにより上記は予防できます。

一番多く回答を集めたのは、「弛緩性便秘」との意見でした。

「運動不足はてきめんに便秘になる」という意見が挙がっていることから、医師の経験としても運動不足では便秘になりやすいと考えられているようです。
腹圧や筋力の低下により、上手く便を排出できないため弛緩性便秘になってしまうとした見解もみられました。
運動をすることで腸の蠕動運動は促進されるとの意見もあったことから、弛緩性便秘の改善に運動は最適かもしれません。
具体的な改善策・予防策としては、ピラティス・ウォーキング・腹筋を鍛える・骨盤底筋を鍛えるなどが挙がっていました。ご自身が続けやすい方法を試してみてはいかがでしょうか。

直腸反応が悪くなることから起こる

・40代女性 一般内科 「直腸性便秘」
腹筋の弱体化と腸蠕動の低下によるものです。

・60代男性 一般内科 「直腸性便秘」「弛緩性便秘」
肛門括約筋の低下が問題です。

・50代男性 一般内科 「直腸性便秘」
硬便が直腸に溜まりやすくなるのでしょうか。

・60代男性 一般内科 「直腸性便秘」
ダイエットのための栄養バランスの偏りや運動不足によるものです。

・50代男性 一般内科 「直腸性便秘」
老化、女性で更にリスクが上昇します。

・50代男性 一般内科 「直腸性便秘」「弛緩性便秘」
運動をすることは便秘解消の一助となり得ます。

・30代男性 一般内科 「直腸性便秘」
運動により直腸反応を高めます。

・70代男性 一般内科 「直腸性便秘」「弛緩性便秘」
腸管蠕動と腹圧の促進が重要です。

・60代男性 一般内科 「直腸性便秘」「弛緩性便秘」
ちょっと運動しただけでは直ぐに効果はないと思います。

次に回答で多かったのは、「直腸性便秘」との意見でした。

直腸性便秘の要因として、運動不足による腹筋の弱体化、蠕動運動の低下、肛門括約筋の低下が挙げられており、特に高齢者や女性はリスクが高いようです。
改善のためには、やはり運動が挙げられており、直腸反応を高めることが期待できるそうです。
しかし、「ちょっと運動しただけでは直ぐに効果はない」とした医師もおられることから、運動習慣を継続することが大事そうです。

特に過緊張をきたしやすい

・60代男性 一般内科 「けいれん性便秘」「弛緩性便秘」
弛緩性便秘も、痙攣性便秘も起きます。

・90代男性 一般内科 「けいれん性便秘」「直腸性便秘」「器質性便秘」
運動不足による影響は多少あります。

・50代男性 一般内科 「けいれん性便秘」
蠕動障害による便秘、とくに過緊張をきたしやすいと思います。

・50代男性 一般内科 「けいれん性便秘」「直腸性便秘」「器質性便秘」
胃腸全般の動きに関与すると思います。

・70代男性 一般内科 「けいれん性便秘」
運動不足で交感神経より副交感神経が良く働き痙攣性の便秘になると考えます。

・60代男性 一般内科 「けいれん性便秘」「直腸性便秘」
適度な運動は大事です。

・70代男性 一般内科 「けいれん性便秘」「弛緩性便秘」「直腸性便秘」
運動が大腸の蠕動を促すと思います。

次に回答で多かったのは、「けいれん性便秘」との意見でした。

まず、先に示した概要からわかるように、けいれん性便秘は、弛緩性便秘や直腸性便秘とは違い、蠕動運動が強くなりすぎ、便を上手く送り出すことができなくなることで起こる便秘のようです。
医師の意見としては、「運動不足で交感神経より副交感神経が良く働き痙攣性の便秘になると考えられる」というものが挙がりました。
こちらも改善法として適度な運動が推奨されていますので、無理のない範囲で運動を始めてみてはいかがでしょうか。

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運動不足が原因となって起こる便秘は、弛緩性便秘が多い

本調査では、「運動不足が原因となって起こる便秘にはどんな種類がありますか?」と聞いたところ、「弛緩性便秘」との回答が一番多く、次に「直腸性便秘」、「けいれん性便秘」が続きました。
最も多くの支持を集めた弛緩性便秘や直腸性便秘については、腸の蠕動運動や腹圧の低下などで、腸の働きが悪くなり、引き起こされるようです。
一方、けいれん性便秘は、蠕動運動が強くなることで引き起こしやすいと考えられていました。
改善法・予防法としては、いずれも運動が推奨されており、具体的にはピラティス・ウォーキング・腹筋を鍛える・骨盤底筋を鍛える、などが挙がっていました。
どの方法も、短期集中では、すぐに効果は期待できないようなので、毎日少しずつでも継続できる方法をとることが好ましいのかも知れません。

引用元:イシコメ 医師と患者をむすぶメディカルサービス
https://ishicome.medpeer.jp/entry/1544