ネオステスト★
睡眠中、トイレに行きたくなったりして目が覚めたりすることは、誰にでもよくあることだと思います。それでも普通は1~2回程度ではないでしょうか。
しかし、睡眠に関する研究によると、私たちは睡眠中、実際にはおよそ28回も覚醒しているそうです。
もっとも、睡眠の質そのものが高ければ、そんなに何度も眠ったり目覚めたりを繰り返していたということを、翌朝になって覚えていたり、意識するようなことはまずありません。
私たちは、寝ている間は「何もしない」ものだと考えていますが、人間の脳は日中起きている時と、夜間睡眠時と、同じだけのエネルギーを消費します。
睡眠中も脳では何かが起こっているというわけです。
睡眠時間は削っていいような、余計なものでは決してありません。生物としての人間の生命活動維持に非常に重要な役割を果たしているのです。
睡眠は身体の回復を助ける
長距離ランニングや、集中的な筋力トレーニング後、身体は休息と回復を必要とします。休息と回復はランニングや筋トレそのものと同じくらいに、健康を維持するのに重要なプロセスです。
深い睡眠の間に、身体は成長ホルモンを分泌し、細胞の再生を促します。
日中の活動で傷ついた筋肉を回復するだけでなく、骨、皮膚、髪など、全身の細胞を修復します。トレーニングの効果で筋肉が大きくなるのも、寝ている間です。
女性と男性よく眠るのはどちら?
性別と睡眠の関係を取り扱った調査・研究は、現在までに数多く行われています。
特に、イギリスのルーボロー大学(Loughborough University)睡眠研究センターのジム・ホーン(Jim Horne)教授は、女性のほうが男性よりも平均して約20分ほど長い睡眠時間を必要としていることを発見しました。
その理由は、女性の脳のほうが男性の脳よりも、日中ハードに働いているから、だそうです。
女性は同時にいくつものタスクをこなすことができる、というのは有名な話ですよね。
睡眠に関する研究のエキスパートであるホーン教授によると、同時に複数の物事に対応するという女性特有の性質が女性の脳をより複雑なものにしているとか。
それゆえに、男性よりも多くの休息を必要とするというわけです。
睡眠障害、女性特有の原因
女性の方が長い睡眠時間を必要とするにもかかわらず、残念ながら現実には女性の方が睡眠障害に悩まされがちです。
ストレスや複数タスクへの対応だけでなく、ホルモンが女性の睡眠に影響を与えます。
例えば月経サイクル。
月経後の2週間ほどは、プロゲステロン(黄体ホルモン)の量が徐々に増加します。
プロゲステロンには眠気を誘引する作用があると言われており、研究者の間では、女性にとってこの2週間はよく眠ることのできる期間であると認識されています。
月経が近づくと、幸福感を与えるホルモンであるセロトニンの量が低下。
これが月経前のイライラやストレスをもたらし、快眠を妨げる要因となっていると考えられています。
さらには、月経期間中の鉄分不足が、なかなか眠れない、または何度も目覚めてしまうという睡眠障害の原因となることも指摘されています。
妊娠中の女性の場合は、妊娠週数によっても眠りの質が異なってきます。
妊娠初期の身体は、平常時よりも長時間の睡眠を必要とします。日中や仕事中も眠気に悩まされる妊婦さんも多いのではないでしょうか。
反対に、妊娠5ヶ月を過ぎた中期以降は、胎児が成長しお腹が急激に大きくなることや、胎動などの影響で、快適な睡眠が妨げられてしまいがちです。
更年期には、さらに深刻な睡眠障害に陥りやすくなります。これもホルモンの変化やそれがもたらす火照りやのぼせなどの症状が原因と言われています。
睡眠不足・睡眠障害が私たちにもたらす悪影響
熟睡したと感じられるような、快適な目覚めを得るために必要とされる睡眠時間は、もちろん人それぞれではありますが、大体7時間から9時間くらいの間です。
自分に必要な睡眠時間が長期に渡って確保されない状態が続くと、肥満になりやすくなったり、病気にかかりやすくなったりする恐れがあります。
体内の免疫系は、深い眠りによって日中受けたダメージを回復しますので、睡眠不足が慢性化すると、高血圧や糖尿病、心血管系疾患を引き起こしやすくなります。
さらに、脳は睡眠中に日中の出来事や考え事を処理します。寝不足が昂じると、心の病気にもかかりやすくなるというわけです。
良い眠りをサポートしてくれる食べ物
最近よく眠れていないと感じているときは、それを助けてくれる食べ物を取り入れてみましょう。
アミノ酸トリプトファンを含む食べ物を摂取することで、睡眠ホルモン、メラトニンの分泌を増やし、あなたを快眠へ導きます。
・カシューナッツ&ピーナッツ(一掴み程度!) ・はちみつ入りホットミルク ・チーズサンドイッチ ・ツナ入りサラダ ・鮭を使った料理
でも、気をつけて!
食べたばかりで寝るのはよくありません。
夕食は消化の良いものを就寝3時間前までに摂るように心がけましょう。
食後、消化器官が活発に活動している状態では快眠できず、起床時に熟睡感が得られないというのは、自明の理ですね。
今回は眠りと健康に関して、知っておくときっと役に立つ基礎知識を紹介しました。
睡眠は、私たちの健康を左右する上で、起きているときの活動と同じくらい重要な役割を果たしています。
それがわかっていても、なかなか十分な時間を確保できなかったり、ついつい夜更かししてしまったりする方は、アプリを使って睡眠習慣の改善を始めてみるのもいいかもしれません。
時間や効率を計測・記録することで、毎日の睡眠を意識するようになり、より規則正しく、十分な睡眠時間を確保する習慣をつけることができますよ!
引用元:Runtastic Blog