食べなくても体重の増加が止まらないことってあるの?医師504名に聞いてみました


食べなくても体重の増加が止まらないことってあるの?

本調査では、「食べなくても体重増加が止まらないことはありますか」という質問に対し、肯定的な回答(「多少はある」、「大いにある」の合計)が44%、否定的な回答(「ほとんどない」、「あまりない」の合計)が56%とやや否定的な回答が上回る結果になりました。肯定的な回答をした医師からは、ストレスや不眠、ホルモン・水分バランスの悪化や、基礎代謝が落ちているにも関わらず食事の量が落ちる以前と変わっていないなどの可能性が挙げられました。しかしながら心不全、腎不全を考えるコメントもあり、疾患によるものの可能性も否定できないようです。否定的な回答でも同様に心不全、腎不全といった疾患である可能性も懸念されていましたが、一方で「本人がどれだけ食べているか認識していない」「なんだかんだ言いながら食べている」といった厳しいコメントも見られました。

体重に関して悩みを持つ方は少なくないでしょう。
特に体重の増加を防ぐ、もしくは増加した分を落とすために運動をしてみたり、巷でうわさのダイエットなどにチャレンジしたりという方も多いのではないでしょうか。
インターネット上では甘いものを控えるといった食事制限を試みる人も散見されます。
しかし、なかにはあまり食べていないにも関わらず体重の増加が止まらないという悩みを持つ方もいるようです。はたして、このようなことは起こり得るのでしょうか?

そこで今回は、食べなくても体重増加が止まらないことはあるか、一般内科医、総合診療科医、代謝・内分泌科医、健診・予防医学科、計504名に聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https:/ /medpeer.jp/)にて、2018年12月9日〜12月12日にかけて行われ、一般内科医、総合診療医、代謝・内分泌科医、健診・予防医学医の504名から回答を頂きました。

dヘルスケアに入会すると、気になることをお医者さんに何度でも相談可能!

ご契約済みの方はこちら

医師のなかでも意見が二極化?食べなくても体重増加が止まらないことについて

「食べなくても体重増加が止まらないことはありますか」という質問に対し、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。

・大いにある
・多少はある
・あまりない
・ほとんどない

以下が結果となります。

医師のなかでも意見が二極化?

・30代男性 総合診療科 「多少はある」
多くの慢性疾患や薬剤の副作用で体重増加を呈することが多いです。

・50代男性 一般内科 「多少はある」
心不全・腎不全では起こりえます。

・50代男性 一般内科 「多少はある」
運動しないと、食べる量が少なくても体重は増えます。

・60代男性 一般内科 「多少はある」
ストレスや不眠にはあります。

・50代女性 代謝・内分泌科 「多少はある」
ホルモンや水分バランスが悪い場合、食べた量にかかわらず増えることがあります。

・70代男性 一般内科 「多少はある」
歳を重ねると基礎代謝が年々減っていくのに、毎年同じ量を食べるとカロリーを取り過ぎてしまう場合が多いです。

・50代男性 一般内科 「多少はある」
薬剤性か、なんらかの疾患を合併している可能性があります。

・50代男性 一般内科 「ほとんどない」
食べなくても体重増加が止まらないことは病気以外にないです。

・40代男性 一般内科 「ほとんどない」
何らかの疾患がない限り食べなくても太ることはないと思います。

・60代男性 一般内科 「ほとんどない」
運動量が減少して食べる量が減らなければあります。

・50代男性 一般内科 「ほとんどない」
病気がないとすれば、本人がどれだけ食べているか認識していないのだと思います。

・50代男性 一般内科 「ほとんどない」
薬の影響でそれほど食べてないのに体重が増えた人はいます。

・50代男性 一般内科 「あまりない」
病的な状態であると思います。

・50代男性 一般内科 「あまりない」
心不全、腎不全でもない限り、食べなくても体重増加が止まらないことはあまりありません。

・50代男性 一般内科 「あまりない」
腎障害で水分貯留がひどくなればおこると思います。

・30代男性 一般内科 「あまりない」
よほど特殊な病態以外は、なんだかんだ言いながら、食べていると思います。

・50代男性 一般内科 「大いにある」
病的なものは内分泌疾患での脂肪増加や心不全・腎不全による体水分の貯留などが考えられます。病気がなくて、肥満による体重増加が止まらないのは、その人の摂取カロリーに対する認識が間違っているためです。「体重を減らしたい」と言いつつ、言い訳さえできれば食べてしまうのは、目標が減量ではなく、自己満足だからでしょう。

・30代男性 代謝・内分泌科 「大いにある」
体重増加をきたす病気にかかっていればありえます。

・30代男性 一般内科 「大いにある」
体液過剰をよく診ています。

dヘルスケアに入会すると、気になることをお医者さんに何度でも相談可能!

ご契約済みの方はこちら

今回の調査では、「多少ある」と回答した医師が34%で最多の結果となりました。その後を「ほとんどない」が29%、「あまりない」が27%、「大いにある」が10%で続いています。
別の視点でみると、肯定的な意見が44%(「多少ある」と「大いにある」の合計)、否定的な意見が56%(「あまりない」と「ほとんどない」の合計)とやや否定的な回答が上回る結果となっています。
「多少はある」と回答した医師からは、薬の副作用や疾患の場合は体重が増加するとのコメントが多くありました。それ以外にも、ストレスや不眠、ホルモンバランスが崩れている場合などが考えられるようです。
また、「歳を重ねると基礎代謝が年々減っていくのに、毎年同じ量を食べるとカロリーを取り過ぎてしまう場合が多い」と指摘するコメントも寄せられています。
「ほとんどない」と回答した医師からは、「何らかの疾患がない限り食べなくても太ることはないと思います」といった、やはり疾患を疑うコメントが散見されました。
しかし、もしも疾患を抱えていないのであれば、本人がどれだけ食べているか認識していないのではとの指摘もあります。また、運動量の減少を考える医師もいらっしゃいました。
健康面で問題のない方は、食生活・運動面を見つめ直すといいかもしれませんね。
「あまりない」回答した医師からは、これまでの回答と同じように疾患の可能性を示唆するコメントを頂いており、心不全や腎不全での水分貯留などが可能性として挙げられています。
最後に「大いにある」と回答した医師からも、心不全や腎不全ならあり得るとの見解がありました。食べていないにも関わらず体重が増加してしまう場合は、このような疾患が疑われるようです。
コメントでも多く登場する心不全、腎不全は以下のように説明されていますので、聞いたことがないという方はぜひ一読ください。

心不全

心不全とは、心臓が十分な量の血液を送り出せなくなった状態のことで、血流量の減少や静脈または肺での血液の滞留(うっ血)など、心臓の機能をさらに低下させる他の変化を引き起こします。
〔中略〕
心不全は年齢を問わず発生し、幼い小児(特に生まれつき心臓に異常がある場合)にも起こります。しかし、高齢者は心筋や心臓弁を損傷する病気を有している可能性が高いため、他の年齢層よりはるかに多くの人でみられます。また、加齢に伴う心臓の変化により、心臓のポンプ機能が低下する傾向もあります。

腎不全

腎不全とは、腎臓が血液をろ過して老廃物を十分に除去することができなくなった状態です。
(中略)
腎不全になると、腎臓は血液をろ過して老廃物(クレアチニンや尿素窒素など)を除去することができなくなるだけでなく、体内の水分の量とその配分(水分バランス)を調節する能力や血液中の電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン)や酸の濃度を調節する能力も低下します。

dヘルスケアに入会すると、気になることをお医者さんに何度でも相談可能!

ご契約済みの方はこちら

食べる量は変わらないのに太る場合は病気の可能性も考慮を

今回行った「食べなくても体重増加が止まらないことはありますか」という調査では、肯定的な回答(「多少はある」、「大いにある」の合計)が44%、否定的な回答(「ほとんどない」、「あまりない」の合計)が56%とやや否定的な回答が上回る結果になりました。
肯定的な回答をした医師からは、ストレスや不眠、ホルモン・水分バランスが悪い場合などが挙げられました。また、加齢により基礎代謝が落ちていないにも拘らず、食事の量が減っていないことや運動量が減少している場合なども考えられるようです。
一方で、薬の影響や心不全、腎不全も危惧されており、疾患である可能性も否めないようでした。
否定的な回答をした医師からは、本人がどれだけ食べているか認識していないのではといったことが指摘されました。しかしながら肯定的な回答と同じように、心不全、腎不全といった疾患である可能性も懸念されています。
食べていないのに体重増加が止まらないという方は、一度生活面や運動面などを見直してみると良いかもしれません。
ですが、疾患を抱えている場合も考えられるようなので、不安な方は医療機関の受診も考慮しましょう。

引用元:イシコメ 医師と患者をむすぶメディカルサービス
https://ishicome.medpeer.jp/entry/1603