気圧の変化で頭痛は起こる?その原因と対処法を医師525名に聞いてみました。
今回は、気圧の変化と頭痛にまつわる疑問について調査しました。「気圧変化で頭痛が起こるかどうか」については、「たまにある」「大いにある」を合わせると、実に77%もの医師が肯定的な見解を示しました。さらに気圧変化によって頭痛が起こる原因については、「脳血管の膨張・収縮」「自律神経の乱れ」との回答が多い結果となり、対処法については、「頭痛薬を早めに飲む」が最多の支持を集める結果となりました。
雨や曇りなど天気が悪いと頭が痛くなったり、体の不調を感じたり…という経験がある方もおられるのではないでしょうか。
「気圧変化で頭痛が起こる」という話はインターネット上などで目にしますが、果たして本当に気圧の変化で頭痛は起こるのか、疑問をお持ちの方も多いと思います。もしこのような理由で頭痛が起こるのなら、その原因や対処法などについて知りたいですよね。
そこで今回は、気圧の変化と頭痛に関するあれこれについて、脳神経外科医、一般内科医、神経内科医、計525名に聞いてみました。
※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年6月19日〜6月22日にかけて行われ、脳神経外科医、一般内科医、神経内科医計525名から回答を頂きました。
気圧の変化と頭痛って関係あるの?
気圧の変化は本当に頭痛と関係性があるのでしょうか。まずはこちらを医師に聞いてみました。
・40代男性 一般内科 「たまにある」
空が低気圧に覆われ雨が降ると(もしくは雨が降る前)、「頭が痛くなる」「体がだるくなる」といった体の不調を訴える人が増えます。
・60代男性 一般内科 「たまにある」
髄液圧等に影響を与えることがあるためと思われます。
・50代女性 一般内科 「たまにある」
季節の変わり目、気圧の変動の多い時期に、頭痛やめまいの患者さんが多いです。
・50代男性 一般内科 「たまにある」
気圧変化により、血管が収縮するからと思われます。
・60代男性 神経内科 「大いにある」
血管の収縮拡張により血管性の頭痛が起こると思います。
・60代男性 一般内科 「大いにある」
気圧変化によって頭痛が起こることはあると思います。これはかなりあります。
・40代男性 一般内科 「大いにある」
気圧が低下すると頭痛は起こります。
・40代男性 一般内科 「個人差が大きい」
おそらく個人差が大きい、と思います。
・50代男性 一般内科 「個人差が大きい」
気圧変化で頭痛をきたす人もいるかもしれません。
・40代男性 一般内科 「あまりない」
あまり関係ないように思います。
・60代男性 一般内科 「ほとんどない」
気圧の変化はめまいとは関係あるでしょう。
調査の結果、「たまにある」と回答した医師が48%と最も多く、次いで29%の医師が「大いにある」と回答しました。合計すると、77%もの医師が気圧の変化による頭痛を認めているとの考えがうかがえます。
このように回答した医師からは、季節の変わり目や気圧の変動が多い時期に患者さんが多い、低気圧に覆われて雨が降る前や降ると体の不調を訴える人が増えるとのコメントが寄せられました。
以上から、気圧の変化により、実際に頭痛を訴える患者数の増加を感じている医師もいることがわかります。
一方で、否定的な見解を示した医師からは、頭痛ではなく、めまいとは関係があるとのコメントが寄せられました。
気圧の変化は頭痛だけでなく、その他の症状も引き起こすこともありそうです。
気圧変化で頭痛が起こる原因とは?
続いて、「気圧変化によって頭痛が起こる原因で多いものは何ですか」という質問について、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。
・血行不良
・脳血管の膨張・収縮
・自律神経の乱れ
・空気中の酸素濃度の低下
・わからない
・その他
以下が結果となります。
・50代男性 一般内科 「脳血管の膨張・収縮」
脳血管の膨張・収縮だと思います。
・40代男性 一般内科 「脳血管の膨張・収縮」
空気の組成の変化による脳血流への影響を考えます。
・40代男性 一般内科 「脳血管の膨張・収縮」
脳血管の拡張収縮による血流変化ではないかと思います。
・50代男性 一般内科 「脳血管の膨張・収縮」
頭痛の直接の原因は、ほとんどが頭部の血管の拡張あるいは収縮にあります。
・40代男性 一般内科 「脳血管の膨張・収縮」
拡張すると痛みが出ます。
・60代男性 一般内科 「自律神経の乱れ」
自律神経の変化のための症状です。
・60代男性 一般内科 「自律神経の乱れ」
自律神経が調節できなくなります。
・60代男性 一般内科 「自律神経の乱れ」
自律神経系の不調を敏感に感じる人がいます。
・40代男性 一般内科 「わからない」
正直、よくわからないところです。
・50代女性 一般内科 「わからない」
いろんな要因が複合的に絡んでいるのではないでしょうか。
集計では、「脳血管の膨張・収縮」とする回答が45%で最多となり、「自律神経の乱れ」という回答が39%で続きました。
「脳血管の膨張・収縮」と回答した医師からは、空気の組成の変化による脳血流への影響が考えられるという意見や、脳血管の拡張収縮による血流変化ではないかとのコメントがあげられました。
次いで多かった「自律神経の乱れ」が原因だと考える医師からは、気圧の変化によって自律神経の調節が難しくなることや、自律神経系の不調を敏感に感じる方もいるとの意見がありました。
さらに、原因は1つだけでなく、複合的に考えられるという医師のコメントも見られました。
最後に、気圧変化によって起こる頭痛には、どのような対処法が効果的なのか質問しました。
頭痛を和らげる効果的な対処法は?
「気圧変化によって起こる頭痛の症状を和らげるのに効果的な対処法は何ですか」という質問について、以下の選択肢から選んでもらい、コメントを頂きました。
・頭痛薬を早めに飲む
・市販の酔い止めを飲む
・氷や冷却ジェルなどで頭を冷やす
・カフェイン飲料を飲む
・暗くて静かな場所で横になる
・ストレッチや軽い運動をする
・首や肩を温める
・特にない
・その他
以下が結果となります。
・30代男性 一般内科 「頭痛薬を早めに飲む」
頭痛薬で症状は緩和されます。
・60代男性 一般内科 「頭痛薬を早めに飲む」
頭痛薬は早めに服用したほうが良いです。
・60代男性 一般内科 「頭痛薬を早めに飲む」
気圧変化によって起こる頭痛の症状を和らげるのに効果的なのはやはり薬が手っ取り早いです。
・50代男性 一般内科 「頭痛薬を早めに飲む」
頭痛薬を服用するのが良いと思います。
・60代男性 脳神経外科 「頭痛薬を早めに飲む」
気圧の変化は一時的なので、臨時的、屯用で頭痛薬を早めに服用するのがよいと思います。
・60代男性 一般内科 「ストレッチや軽い運動をする」
軽い運動で自律神経の緊張を緩和します。
・30代男性 一般内科 「ストレッチや軽い運動をする」
運動でストレス発散が一番です。
・50代男性 一般内科 「ストレッチや軽い運動をする」
ストレッチと保温が良いと思います。
・50代男性 神経内科 「特にない」
自然の摂理に従うのは仕方がないです。
・40代男性 一般内科 「暗くて静かな場所で横になる」
横になるのがよいと思います。
調査の結果、「頭痛薬を早めに飲む」という回答が40%と最も多い結果となりました。医師のコメントによれば、薬の服用が手っ取り早い、気圧変化は一時的なものなのでその時のみ服用するといった意見が挙げられました。
次いで多かったのが、「ストレッチや軽い運動をすること」です。こちらのコメントから、軽い運動をすることによって自律神経の緊張が緩和することが効果的と考える医師もいることが分かりました。
さらに、ストレッチに加えて保温が効果的といったアドバイスもいただいています。
気圧の変化による頭痛でお困りの方は、上記のようなことを試してみてはいかがでしょうか。
気圧の変化で頭痛は起こると考える医師が7割以上。早めの頭痛薬服用で症状に対処を。
今回は、気圧の変化によって頭痛が起こるのかどうかということをはじめ、その原因と対処法までを調査しました。
「気圧によって頭痛が起きることはあるか」という質問では、7割以上の医師が肯定的な見解を示しました。その原因として「脳血管の膨張・収縮」「自律神経の乱れ」などが挙げられています。
さらに、対処法についての調査では、「頭痛薬を早めに飲むこと」が最も多く回答されました。素早く効くことなどが理由として挙げられており、2番目に多く回答されたストレッチや軽い運動では、自律神経の緊張を緩和する効果が期待できるようでした。
気圧の変化によるつらい頭痛ですが、調査結果を参考に自分に合った対処法を試してみてはいかがでしょうか。
引用元:イシコメ 医師と患者をむすぶメディカルサービス
https://ishicome.medpeer.jp/entry/1403