この症状は花粉症?風邪?見分けるポイントを医師528人に聞いてみました


この症状は花粉症?風邪?

今回の調査では、花粉症と風邪を見分けるポイントとして、「目の痒みがある」と回答した医師が6割となり、「粘りのない鼻水」、「くしゃみの頻度が多い」を回答した医師が1割ずつという結果となりました。また、症状が続いている期間や、どのような症状の変化があったかも鑑みて見分ける、という意見もみられました。花粉症や風邪の特徴的な症状と期間、経過と、ご自身の症状と照らし合わせてみてくださいね。

花粉症が流行りだした季節に、鼻水やくしゃみ、微熱などの症状がある…これはもしかして花粉症?それとも風邪?と迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
自分の症状がどちらなのか、適切に見分け、対処できると安心ですよね。

そこで今回は、内科医、耳鼻咽喉科医、アレルギー科医528人に、花粉症の症状と風邪の症状を見分けるポイントを聞いてみました。

※ 本調査は医師専用コミュニティサイトMedPeer(https://medpeer.jp/)にて、2018年2月28日〜3月1日にかけて行われ、内科医、耳鼻咽喉科医、アレルギー科医528人から回答を頂きました。

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目の痒みがあるかで、花粉症か風邪かを見分ける

「花粉症の症状と風邪の症状を見分けるポイントで最も大事だと思うものは何ですか」という質問に対して、以下の選択肢から選んでもらい、その理由をコメントしてもらいました。

・目の痒みがある
・喉の痒みがある
・乾いた咳が出る
・粘りのない鼻水が出る
・鼻づまりがする
・くしゃみの頻度が多い
・微熱がある
・その他

次のグラフが、結果となります。

この症状は花粉症?風邪?

集計では、花粉症と風邪を見分けるポイントとして、「目の痒みがある」と回答した医師が6割となり、「粘りのない鼻水」、「くしゃみの頻度が多い」を回答した医師が1割ずつという結果となりました。
確かに、目が痒くなったり、鼻水に粘り気がなかったり、くしゃみが多くなるのは花粉症の特徴というイメージがありますね。
では、それぞれの医師のコメントを見ていきましょう。

目の痒みは花粉症の症状の大きな特徴

・50代男性 一般内科 目の痒みがある
風邪では目の症状を訴えないことが多いです。

・40代男性 一般内科 目の痒みがある
目のかゆみは風邪にはないでしょう。

・50代男性 一般内科 目の痒みがある
やはり目のかゆみは重要でしょう。しかし、花粉症は時期の問診も重要です。

・60代男性 一般内科 目の痒みがある
目のかゆみとサラサラの鼻水で見分けます。

・50代男性 一般内科 目の痒みがある
目のかゆみが比較的特異的かな、と思います。

・40代男性 一般内科 目の痒みがある
そう痒症状が強いことが大きな特徴と思っています。

・50代女性 一般内科 目の痒みがある
目の痒みは、アレルギーによる特異な症状だと思います。

「目の痒みで見分ける」と回答した医師のコメントを見ると、風邪のときには目の痒みはあまり出ないという内容が多く見られました。
また、目の痒みはアレルギーによる特異的な症状である、というコメントもありました。
たしかに風邪をひいているときに目が痒くなることは、あまりなさそうですね。
医師のコメントにあるように、花粉症の季節に目の痒みが出てきた場合は、花粉症を疑ってみても良さそうです。

水のような粘りのない鼻水が出るのも見分けるポイント

・50代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
湯水のように流れ出る鼻汁があれば花粉症でしょう。

・50代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
透明で水のような鼻汁が絶え間なく出るのが特徴と思っています。

・40代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
水様性鼻汁が特徴ですね。

・50代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
花粉症では、気がついたら鼻汁がおちているような状態になります。

・50代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
くしゃみ、鼻水、鼻づまりで見分けます。

・60代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
見分けの難しい症例もありますが、水様鼻汁、鼻閉等の症状で見分けています。

・30代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
その他の喉の症状がなく、さらっとした鼻水がでるときはアレルギー性鼻炎と考えます。

・40代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
鼻汁と痰の性状は見分けるポイントかと思います。

・30代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
咳と咽頭痛がないことが鑑別点です。その他、発熱や頭痛など風邪に随伴する症状がないことも鑑別点となります。

・30代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
感染症で1週間以上、水様性の鼻汁が続くことはないため、鑑別点としています。

・40代男性 耳鼻咽喉科 粘りのない鼻水が出る
鼻水で見分けますが、膿性鼻汁か水様性鼻汁かどうかの鑑別は患者さんの自己申告だけで判断するのではなく、鼻腔内を内視鏡を使ってしっかり観察することが重要だと思います。

・50代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
黄色い鼻水は風邪です。

・60代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
花粉症はサラサラ垂れる鼻水であり、風邪の鼻水はどちらかというとすすると上がってくる鼻水かと思います。

「粘りのない鼻水が出るかで見分ける」と回答した医師からは、水のように絶え間なく鼻水が出る場合は花粉症と考える、というコメントが多くみられました。
風邪の場合は黄色い鼻水や、すすると上がってくるような鼻水である、という医師のコメントもありました。
さらに耳鼻科医のコメントでは、鼻の中を内視鏡を使ってしっかり診てもらうことが花粉症の診断に大事である、という内容もみられました。
花粉症の症状の中でもとくに辛い止まらない鼻水は、やはり花粉症と風邪を見分ける上でポイントになるようですね。

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くしゃみは頻度の多さで見分ける

・60代男性 一般内科 くしゃみの頻度が多い
花粉症の初めて症状が出た患者さんは、鑑別が難しいときが確かにありますが、印象的にはくしゃみがやたらに多い感じがします。

・60代男性 一般内科 くしゃみの頻度が多い
くしゃみと鼻水が多いと花粉症と見分けます。

・30代男性 一般内科 くしゃみの頻度が多い
くしゃみ・鼻水・鼻づまりの3点セットが花粉症を見分けるのに大事です。

・50代男性 一般内科 くしゃみの頻度が多い
連続するくしゃみの発作がある場合は花粉症を疑います。

・40代男性 一般内科 くしゃみの頻度が多い
くしゃみ、鼻水、鼻づまりは風邪の典型症状ですが、くしゃみの質、タイミングが違うのでそこを問診しています。

・40代女性 一般内科 くしゃみの頻度が多い
長引く鼻かぜと誤診しないことに注意しています。

・60代男性 一般内科 くしゃみの頻度が多い
花粉症のくしゃみは最もつらいと思います。薬が効かないので。

「くしゃみの頻度が多いことで見分ける」を選択した医師からは、連続して出るくしゃみで見分ける、という「頻度」をポイントとするコメントがみられました。
つまり、くしゃみは風邪の症状でもあるのですが、どのようなくしゃみかをポイントに見分ける場合が多いようです。
また、くしゃみは薬が効かないため辛い症状である、という医師のコメントもみられました。
風邪のときにも出るくしゃみですが、止まらないくしゃみのときは花粉症の症状を疑うようでした。

症状だけではなく、期間や経過で見分けるという声も

・40代男性 耳鼻咽喉科 目の痒みがある
風邪は一週間から10日で治りますが、花粉症は長く続きます。

・50代男性 一般内科 粘りのない鼻水が出る
症状の出ている期間の長さによっても判断しております。

・40代男性 一般内科 くしゃみの頻度が多い
長引く症状が最も見分ける上で大事です。

・30代男性 一般内科 くしゃみの頻度が多い
なかなか難しい鑑別と思います。持続時間も鑑みて見分けます。

・50代男性 一般内科 経時的な変化
風邪は下記のように経時的に変化して治癒するものです。
まず、寒気、鼻汁、咽頭痛、頭痛などのうちのいくつかから始まり、1~2日のうちに治まる、あるいは微熱、軽度の乾いた咳などに移行します。計3~4日で概ね症状は治まる、あるいはやや高い熱や痰のからんだ咳などに移行します。
風邪は、症状に起承転結があるのです。花粉症は時として咽頭不快、微熱、頭痛などを伴うこともありますが、基本的にダラダラと症状が続き、起承転結がないものです。

このようにどのような症状があるか、だけではなく

症状がどのくらいの期間続いているか
症状はどのような経過を辿って変化しているか

も見分けるポイントという医師のコメントもありました。
症状が続いている期間という視点では、風邪は3日~1週間で治り、花粉症はダラダラと長引くことが多いという回答が挙がっていました。
また、症状の経過で見分けると回答した医師からは、風邪は寒気などから熱、鼻水、咳など症状が変化するが、花粉症は変化なく続く、といった内容のコメントがありました。

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ご自身の症状、期間、経過をみて見分けましょう

今回の調査では、6割の医師が目の痒みがあるかで花粉症か風邪かを見分けると回答し、1割の医師が粘りのない鼻水が出るかで見分け、1割の医師がくしゃみの頻度が多いかで見分ける、と回答しました。
また、症状だけではなく、期間や経過で見分けるという意見もみられました。花粉症は症状の変化が少なくダラダラと続く一方、風邪は症状に変化があり、一定の期間で治るようです。
目の痒みはあるか?鼻水でもどのような鼻水なのか?どのような症状がどのくらい続いているのか?など、ご自身の症状をみて、花粉症か風邪かを見分け、適切な対処をしていきましょう。

引用元:イシコメ 医師と患者をむすぶメディカルサービス
https://ishicome.medpeer.jp/entry/1178