ランニング中に横っ腹が痛くなったら?予防&対処法を一挙紹介


気にしていても、いなくても、走り出してしばらくすると……ああまただ、横っ腹が痛い。

「出鼻から飛ばし過ぎ?」
「呼吸の仕方、間違っている?」
「朝ごはん、食べ過ぎた?」

いつ消えるとも知れない痛みに気を取られ、ランニングの楽しさも爽快感も、全てが台無しに。ムダに体力を消耗し、やる気を削ぐ脇腹痛、何とかならないの?

OK、何とかしようじゃないですか。

この記事では、今すぐ自分で実践できる対処法を一挙紹介。原因と予防・解消方法を知ることで、次のランニング時には適切に対処できるよう準備しておきましょう。

ランニング中の脇腹の痛み原因は「横隔膜」

走っているときに起こる、肋骨下、または腹腔全体の差し込むような痛みの原因は諸説ありますが、その中でも「横隔膜とその付近の筋肉や内臓への血流不足・酸素の供給不足」を原因とする説が、現時点までの研究結果を踏まえ、最も有力視されています。

私たちの呼吸に大きな役割を果たす横隔膜。息を吸ったり吐いたりする度に横隔膜は上下動しますが、ランニング時には、体内の臓器もカラダの動きに伴って揺さぶられることになります。それにより横隔膜や呼吸に関係する筋肉が痙攣し、脇腹が痛くなる、というのがそのメカニズム。

・呼吸方法が適当でない
・姿勢が悪い
・走り始めからスピードを出し過ぎ
・腹筋が弱い
・ランニング前の食事量・タイミングが適切でない

害はないわりにかなりの痛みを放つ、走っている最中の脇腹痛。容赦ない痛みを予防するための7つの方法を、早速チェックしていきましょう。

脇腹痛予防方法1:走る前は、消化のよい食べ物を

食物繊維と脂質を抑えた軽い食事をランニングの2〜3時間前に食べましょう。スタート直前にパワーが必要な場合はバナナやジャムを塗ったトースト、ドライフルーツをどうぞ。もちろん定番おにぎりもOK。

食物繊維は消化時にガスを発生させるので、腸に負担がかかります。運動中はただでさえ消化器官への血流が減るので、余計な負担をかけるべきではありません。

脇腹痛予防方法2:ウォームアップを丁寧に

ランニング前の準備運動を甘くみていませんか? 適切なウォームアップには、血流を促して筋肉を温めるだけでなく、呼吸を最適化する効果もあります。

脇腹痛予防方法3:滑り出しはゆっくり

スタート直後は飛ばしすぎず、だんだんスピードアップするようにしましょう。横っ腹が痛くなってきたら、自分の実力と比較して速く走り過ぎというサイン。スピードを調整しましょう。

脇腹痛予防方法4:上半身の安定を心がけて

脇腹への差し込みは、ランニングだけでなく、スイミングやサイクリング、ダンス、はたまた乗馬など、大きな揺れによる負担が上半身に継続的にかかるスポーツで起こります。体幹を鍛えて、走る動作によって起こる回転性の揺れを制御できれば、内臓への振動が抑えられ、横隔膜の緊張を防ぐことができます。

脇腹痛予防方法5:腹筋を鍛えよう

体幹全体を鍛えることは大事ですが、ある研究によると、痛くなる脇腹の筋肉「腹斜筋」を特に鍛えておくことで、差し込みを予防できるとか。5〜10分の腹筋トレーニングで、少しずつ筋肉を付けていきましょう。

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脇腹痛予防方法6:深く、リズムよく呼吸

走るスピードが速くなればなるほど、カラダはさらに多くの酸素を必要とします。そんな時に不規則な浅い呼吸が続くと、内臓や横隔膜への血流不足による酸欠で脇腹痛になりやすくなります。

脚を動かすリズムと同じように、呼吸のリズムもかなり重要。鼻で無理なくリズムよく呼吸できる速度で走るよう心がけましょう。スピードが速くなると、足りない酸素を供給するために自然と口で浅い呼吸をしてしまいがちです。

それでも脇腹痛に襲われてしまった時は、次の対処法で解消!

対処法1:
対処法を実行するために、ペースダウン、または歩きましょう。ペースを落とすだけでも横隔膜や呼吸筋、内臓への負担を減らすことができます。

対処法2:
横隔膜と呼吸に関連する筋肉をリラックスするために、浅くなってしまっている呼吸を正しい呼吸に仕切り直しましょう。

横っ腹が差し込んできたら、「吸って、吸って、吐く」のリズムを意識して複式呼吸することで深い呼吸が蘇り、筋肉の緊張を解きほぐす効果があります。

対処法3:
息を吸いながら、痛みのある部分を手で圧迫し、吐きながら解放する、というのを繰り返します。意識して深く呼吸するようにするのがポイントです。

対処法4:
脇腹をストレッチするイメージで、手を頭の上に上げながら息を吸い、吐きながら上体を前に倒して横隔膜と腹腔の緊張をほぐします。手は上体と一緒にぶらんと下ろせばOK

対処法5:
それでも痛みが治まらない場合は、止まって、または歩きながら、上体を左右に曲げるストレッチを行います。脇腹が痛む側の手を後頭部にあてて、息を吐きながらそのまま反対の方向へ上体を倒し、息を吐ききったら今度は息を吸いながらゆっくり元の姿勢に戻します。

最大の予防法、それは「走ること」

最初に取り上げた痛みの原因と、ここまで紹介した予防法・対処法を総合すると、

・自分の現時点での持久力・筋力
・準備運動の有無、食事内容などコンディション

これら2つの条件下において許容できる範囲以上のスピードで走ると、脇腹痛が起きやすくなることがわかります。自分の実力とその日その日のコンディションを把握せずに走ると痛い目に会う、と言ったところでしょうか。

典型的NG1:
周りのランナーにつられて自分の実力以上のペースで走ってしまう。

典型的NG2:
準備運動ができていないのに出鼻から無鉄砲に飛び出して行く。

典型的NG3:
走る直前についうっかり消化の悪い物を食べてしまう。

このような典型的なNGに陥らないためには、ウォームアップを欠かさず行う習慣付けや、対処法の把握も大事ですが、究極的な予防方法は「ランニング」の経験を積むこと以外にありません。

持久力を付けることで、無理をしなくても自分の走りたいスピードで走ることができるようにトレーニングを重ねて行きましょう。その過程で脇腹痛への対応やランニング前の食事管理にも慣れて行くことができます。

ランニングと並行して、体幹や腹筋を鍛えるトレーニングに取り組めば、もう完璧! 走る姿勢がよくなることでフォームが改善されると同時に、横隔膜と呼吸筋も鍛えられ、脇腹痛が起こりにくくなりますよ!