ダイエットを後押しするビタミンB1を効率的に増やすコツ


ビタミンB1は、糖質をエネルギーにかえる手助けをしてくれる栄養素です。お米を主食とする日本人は、多くのビタミンB1が必要になりますが、摂取量は不足気味。
平成29年国民健康栄養調査によると、ビタミンB1摂取量は、男女平均で0.88㎎(男性0.95㎎/女性0.82㎎)と、推奨量の男性1.4㎎、女性1.1㎎を下回っています。(※1)

不足すると疲れやだるさを感じやすく、ひどい場合は脚気や神経障害を招くことも。特に偏食ぎみの人は不足しやすいので、意識してとるようにしたいものです。
そこで、不足しがちなビタミンB1を増やすコツをご紹介します。

ダイエットを後押しするビタミンB1を効率的に増やすコツ

ビタミンB1を増やす方法

ビタミンB1は、一度にたくさんとっても尿と一緒に排泄されてしまい、とりだめができません。毎回の食事でこまめにとることが大切です。

主食

白いごはんを玄米ごはんや雑穀ごはんにかえたり、食パンをライ麦や胚芽入りのパンにかえると効率よくビタミンB1を補えます。

白ごはん1杯(180g)を・・・

・玄米ごはんに変更 ⇒ +0.25mg
・胚芽ごはんに変更 ⇒ +0.1mg
・雑穀ごはんに変更 ⇒ +0.07mg

食パン1枚(6枚切り1枚)を・・・

・ライ麦入り食パン(6枚切り1枚)に変更 ⇒ +0.06mg
・胚芽パン(丸パン1個)に変更 ⇒ +0.12mg
・玄米パン(丸パン1個)に変更 ⇒ +0.1mg

主菜

豚肉や大豆・大豆製品は、ビタミンB1を豊富に含む食材です。これらを使った主菜を選べば、ビタミンB1の摂取量を簡単に増やせます。

豚肉は、脂の少ない赤身をチョイスするのがおすすめ。
また、ニラ・にんにく・ネギなどの香味野菜に含まれる「アリシン」には、ビタミンB1と結合して、ビタミンB1の吸収を高めるはたらきがあります。 これらの野菜を、豚肉料理や大豆・大豆製品料理の薬味・アクセントとしてとりいれるのもよい方法です。

【一人前のビタミンB1量】

・豚肉しゃぶしゃぶ(ロース・赤身100g) : 0.96mg
・麻婆豆腐(肩肉・赤身40g) : 0.39mg
・焼き餃子(もも肉・赤身60g) : 0.63mg

副菜

野菜の中では、モロヘイヤやアスパラガスなどに比較的多くビタミンB1が含まれています。
ビタミンB1には熱に弱いという性質があるので、効率良くビタミンB1をとるには加熱をしすぎないのがポイント。

【一人前のビタミンB1量】

・モロヘイヤのお浸し : 0.13mg
・ゆでアスパラガス(2本) : 0.11mg

汁もの

水に溶けやすい性質をもつビタミンB1。味噌汁やスープなどにしたときは、残さず飲むようにするとロスなくビタミンB1をとることができます。

【一人前のビタミンB1量】

・具だくさん豚汁(もも肉・赤身25g) : 0.3mg
・納豆汁 : 0.07mg
・呉汁 : 0.02mg

ビタミンB1は、動物性・植物性どちらの食品にも含まれています。ひとつの食品に偏ることなく、さまざまな食品をバランスよく食べるようにしてください。
また、糖質を多く含んだジュース・お菓子・アルコールのとり過ぎには気をつけて。カラダの中のビタミンB1が多く使われてしまい、さらに不足しやすくなります。嗜好品は適量を心がけましょうね。


【参考・参照】
(※1)厚生労働省 平成29年国民健康・栄養調査結果の概要
〈https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf〉(最終閲覧日 2018/10/22)

管理栄養士 / 衞藤敬子

コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

引用:あすけん「ダイエットの知識」より